大阪・梅田の街を歩いていた昼下がり。
地下から上がり、目的地に向かおうとしていた、そんな時の出来事。
「すみません…」
左斜め後方から呼び掛ける女性の声。
道でも尋ねられるのかしらん。
まあそれくらいなら快くお教えしましょう。
浜口望海の半分は優しさで出来ています。
振り返る僕。
声の主は見たところ30歳前後の女性。
女性、ニコッ。
ん?
笑顔で近づいてくる。
なんだかちょっと意味ありげな目線。
んん??
あ、もしかして芝居を見てくれたことのある人かしら?
おお、僕も顔さすようになったかぁ~。
嬉しいような恥ずかしいような。
「はい?」
と応える僕は、モチロン役者モードスイッチオン。
調子に乗って握手でもサインでもしちゃいますよ。
「あの…」
切り出す女性。
「田中さんですよね?(^O^)」
…違います。
確実に違います。
うん、断言できる。
アイアムノットタナカサン!!!!
「いえ…違いますけど…」
一瞬の微妙な間。
「あ、ゴメンナサイ…」
踵を返す女性。
…。
なんなんだ、このバツの悪さは!?
田中さんでなかったことが、なんだかちょっぴり申し訳なく思えてしまう。
いや、むしろ田中さんでありたかった。
役者モードに入った僕を置き去りにしないで…(-.-;)
嗚吁、大きな勘違い。お互いに。
というか、田中さんってそもそも誰やねん!!!?
出てこい、田中さん!!!!(涙)
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