『BANANA FISH』(吉田秋生・作)という漫画をご存知だろうか。
僕の大好きな漫画です。
80年代のN.Y.を舞台にした、BANANA FISHという薬物を巡る抗争を描いた青春群像劇。
…と書いてしまえばめちゃめちゃシンプルなんだけど、
そこにはベトナム戦争の傷痕残るアメリカを背景に、
蔓延る薬物の問題、
ストリートキッズとマフィアの対立、
マフィアと政治家の癒着、
チャイナタウンやダウンタウンの黒人たちなどとの人種間問題、
東西冷戦を背景にした軍拡主義、
児童売春なんかも盛り込んで、
これね、分類上は少女漫画なのだけど、
単にそうとは割り切れないくらいにかなり骨太の物語なのです。
この漫画の主人公が、アッシュ・リンクス。
ストリートキッズのボスで、IQ180を超える金髪美形のヒーロー。
物語は、彼と、偶然彼と知り合う日本人の少年・奥村英二を中心に、
上記のような彼を取り巻く環境の中で進むのだが、
アッシュが単にカッコいいヒーローと割り切れないのは、
彼が、冷酷で頭のキレるボスである反面、
とても孤独で、傷つき、愛に飢えている少年でもあるからだろう。
つまりね、BANANA FISHという薬物を巡る抗争は、
アッシュ自身が自由を獲得する為の闘いなわけで、
(ちなみに彼は元々マフィアのボスが趣味と実益を兼ねて経営する児童売春宿の「商品」だったのね)
傷だらけになりながらも進まなくてはならない彼の姿は、
気高くもあり、読む側としては応援せずにはいられないのです。
…って、読んだこと無かったら
「なんのこっちゃ!?」てな感じだね。
ん~説明力の圧倒的不足、もどかしい。
さて。
なんでいきなりこんな話を長々としたかというと、
今日の昼に見て来たのが
Axle 第10回公演 「BANANA FISH」
だったわけでして。
最近話題のイケメン劇団、Axle。
前々から一度見てみたいなぁと思ってたんです。
おまけに演目は「BANANA FISH」。
こりゃ行こう!と決めまして。
ちなみに、この公演は再演。
前にやってた時もチラシは見ていて、
気にはなってたけれど、行きそびれてたんです。
今回は、事務所の先輩も出てたので、
チケットをお願いしてついに見に行ったわけです。
原作があるモノの舞台化・映像化が盛んな昨今。
その賛否はあるだろうけれど、
それはさておき、僕は結構楽しめた。
勿論、原作ファンとしては、舞台制約上描ききれない部分とかもあって、
そこは物足りなく残念なのだけれど、
さすがに今勢いに乗ってる集団なだけあって、イキがいい。(って、魚か!!?笑)
アラも勿論あるけど、でもそれを補って余りある熱量があって。
演劇的な笑いも所々に散りばめて、客席をいじったりしながら3時間の長い舞台を飽きさせない。
その他、色んな部分でね、勉強になったし今後S☆Jを進めてゆく上で参考になることもあった。
大満足というわけじゃないけれど、見に行ってみてよかった。
てなわけで、「BANANA FISH」を再度読み直そうかと思ってる今夜。
みなさんも読んでみてみて♪
絶対面白いから!!
アッシュ・リンクスは永遠のヒーローです。
ちなみに公演は、大阪は今日まで、来週は東京だそうです。
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